ブラックアウト
読み方:ぶらっくあうと
Blackout / Hypoxic Blackout
息こらえなどによって脳へ届く酸素が不足し、一時的に意識を失う状態。
ブラックアウトの意味
ブラックアウトとは、水中での息こらえなどにより脳へ供給される酸素が不足し、意識を失う状態です。潜水中や浮上中だけでなく、水面へ到達した直後に起こることもあります。
基本解説
息を止めていると体内の酸素が減少し、二酸化炭素が増加します。呼吸したいという感覚は、酸素不足だけでなく、主に二酸化炭素の増加によって強くなります。そのため、本人が感じる苦しさと、実際の酸素不足の程度が常に一致するとは限りません。
潜水前に速く深い呼吸を繰り返すハイパーベンチレーションは、体内の酸素を大幅に増やさないまま二酸化炭素を減らします。呼吸したい感覚が遅れ、酸素不足に気づく前に意識を失う危険が高まるため、息こらえ時間を延ばす目的で行ってはいけません。
泳ぐ、ポーズを保つ、撮影を繰り返すといった水中での運動は、安静時よりも酸素消費を増やします。ブラックアウトは深い場所だけで起こるものではなく、浅いプールや足の着く場所でも発生する可能性があります。
泳力や経験があっても、低酸素による意識消失を本人の意思だけで確実に防ぐことはできません。水面へ戻っただけで一回の潜水が終わったと判断せず、呼吸と反応が安定するまで直接監視する必要があります。
LMCとの違い
ブラックアウトは、低酸素によって意識を失った状態です。一方、LMC(Loss of Motor Control)は、意識を保っているように見えても、低酸素によって身体の動きを正常に制御できなくなる状態を指します。
LMCでは、震え、不自然な動き、姿勢を保てない、合図へ適切に反応できないといった変化が見られる場合があります。どちらも重大な低酸素状態として扱い、その日の水中活動を中止します。
予防と安全管理
息こらえを伴う活動は単独で行わず、異変に気づいたときに直ちに救助できるバディまたは安全担当者が、潜水中から浮上直後まで直接監視してください。監視者も、救助方法と緊急時の連絡手順を理解している必要があります。
ハイパーベンチレーションで息こらえ時間を延ばそうとせず、呼吸の限界まで演技や撮影を続けないでください。連続して潜る場合は、次の潜水を急がず、十分な回復時間を確保します。
LMCまたはブラックアウトが疑われた場合は、その日の水中活動を中止します。本人が短時間で回復したように見えても、再び潜らせないでください。
発生時の初動
水中で反応がない場合は、救助者自身の安全を確保したうえで、速やかに水面へ浮上させ、水外へ救出します。施設の緊急対応計画に従い、周囲へ助けを求めてください。
反応がなく正常な呼吸がない場合は、119番通報、心肺蘇生、AEDなど、救命講習で定められた手順を直ちに開始します。水を吐かせるために腹部を圧迫するなどの行為を優先してはいけません。
この解説は救命講習の代わりにはなりません。活動前に、施設の緊急連絡先、救助器材、AEDの位置、救急対応ができる担当者を確認してください。



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